ダンスレッスンが終ってカオルちゃんのドーナツ店の前に集まり、ラブとせつなは同時に
大あくびをした。
見ていた美希がぷっと吹き出す。
ラブとせつなは慌てて口を抑えた。

「どうしたの? ラブもせつなも。お疲れ?」
えへへー、とラブはせつなと顔を見合わせて笑う。
「昨日夜更かししちゃったからさあ」
「ラブに、トリニティのこと教えてもらってたの」
ラブとせつなはドーナツを頬張りながら口々に答える。

「トリニティのこと?」
祈里が不思議そうに聞くと、うん、とラブは頷いた。
「せつなに、トリニティの人気とか格好よさについて教えてたんだよ」
「へえ」
答えてからまた一つラブは大きなあくびをする。
「今日はラブもせつなも早く寝ないと駄目そうね」
美希が言うと「は〜い」というラブの眠そうな声が返ってきた。


ラブとせつな、美希と祈里は公園を出たところで別れた。ラブとせつなはお母さんに
頼まれた買い物があるらしい。
美希と祈里はそのまま家路につく。夕陽が明るく二人の姿を照らしていた。

「ラブちゃんとせつなちゃん、毎日きっと楽しいんだね」
「毎日お泊まり会みたいなものだものね」
「小さい頃よくお互いの家に泊まったりしたけど……」
祈里が小さな声で呟いた。
「また、したいね」

「じゃあ今度、ラブとせつなのところに押しかけてみる?」
軽く美希が答えると「そうじゃなくて」と祈里が珍しく美希の言葉を否定する。
「?」
改めて美希は祈里の顔を見直した。
「……その、美希ちゃんと二人きりでお泊まり会、なんて……」
駄目かな? とまでは言えなかった。祈里の声は風にかき消されるようにして消えてしまった。
美希の長い腕がすっと伸び祈里の肩を抱きしめる。

「美希ちゃん?」
「そうね。悪くないわ」
「美希ちゃん……」
安心したように祈里は美希の身体にもたれかかった。

「今日、このまま美希ちゃん家に行ってもいい?」
「うん」
 美希は腕に少し力を籠めて祈里の身体を抱き寄せた。
長く伸びた二人の影が一つに溶け、そのまま美希の家へと向っていった。

-完-

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