プリキュアシリーズも既に7年目に突入、「ふたりは」から5人、4人とプリキュアの数も
変動し、プロデューサーも交代するなど様々な変化を遂げてきました。ここでは無印
「ふたりはプリキュア」から現在の「ハートキャッチプリキュア!」までを
見ていて考えてみたことを簡単にまとめることにしました。



言うまでもなく、プリキュアシリーズは「ふたりはプリキュア」に始まります。
「無印」と呼ばれるこの作品はプリキュアシリーズのパイオニアであり、
偉大なる元祖であると言えます。
無印は前半と後半で敵のチームが全く異なるという(今から見ると)特異な構成ですが、
無印前半がプリキュアシリーズの最も基礎となる部分を作り上げたといえるでしょう
(無印後半はMH、5GoGoなどの「キャラクターは引き継ぎつつ新しい展開を
取り入れる」というパターンの原型になっているんじゃないかとも思いますが
この件についてはここでは触れません)。

無印前期で提示されたことは二つあります。まず一つは、「全く性格の違うキャラクター
が互いのことを理解し合うことで強くなり、敵を倒す」ということです。
「真逆のキャラでも相通じてる」(「DANZEN! ふたりはプリキュア」より)ですね。
もう一つは、対キリヤ戦で見られるように「敵とプリキュアは分かり合える可能性も
ある」ということです。

S☆Sは無印前期で提示された「敵とプリキュアは分かり合える可能性もある」
ということを、咲・舞と満・薫の関係を通じて展開した作品だと言えます。
一方で、S☆Sからは「全く性格の違うキャラクターが理解し合う」という要素が
あまり感じられません。
咲と舞の二人はもちろん性格が違うのですが、なぎさ達のように「真反対である」
ことが前面に出されることはそれほどありません。初期のなぎさとほのかが結構揉めたのに対し、
咲と舞は割とすんなり仲良くなっていきます。
S☆Sで重要なのは「あなたが大好きって誰かが思ってる」(「まかせて★スプラッシュ☆スター」より)
と満と薫に伝えてプリキュア側に引き摺りこんだことであり、
それが作品全体を特徴づけるものになっています。

5はプリキュアシリーズを大きく変えた作品ですが、
ある意味では無印に原点回帰しています。
プリキュアが5人に増えた関係で「真逆」という言い方こそし辛いものの、
5のコンセプトは「年齢・性格がばらばらな5人が協力しあって敵を倒す」ところに
あると思います。
仲間内の人間関係がしっちゃかめっちゃかになる出来事を乗り越えてパワーアップすると
いうことからもそれを伺うことができます。
一方で、「敵とプリキュアは分かり合える可能性もある」という要素は薄くなります。

つまり、S☆Sと5は共に無印前期で描かれたことを違う方向に継承し発展させた
作品であると言えます。図にするとこんな感じです。

無印とSS、5の関係

プロデューサーが変わった一作目であるフレッシュで特徴的なのは、
初期のメンバーであるラブと美希、祈里は幼馴染なので番組がスタートした時から
三人の関係はほぼ確立されていることです。
したがって無印の初期、あるいは5の初期で描かれたような仲間内の衝突は
基本的に描かれません。
フレッシュの物語で新たに結ばれる絆は敵であるせつなとのそれであり、
そこに重点が置かれます。
フレッシュはS☆S同様に「敵とプリキュアは分かり合える可能性もある」ということを
押し出した作品であり、「全く性格の違うキャラクターが協力し合うことで強くなり、
敵を倒す」という要素はそれほど強くは描かれません。
従ってフレッシュはS☆Sの後継であると言えます。

現在放映中のハートキャッチは、ここまでの内容で判断する限りは5と同様に
「全く性格の違うキャラクターが理解し合うことで強くなり、敵を倒す」という要素に
重点を置いた作品であると思います。
初期のつぼみとえりかがチームになるまでに多少揉めたのに加え、
プリキュアであるゆりの心を開くというエピソードをここまで引っ張ってきた一方、敵と
分かり合えそうな様子は今のところありません。

また、少し話は変わりますがハートキャッチは「最弱に見えるプリキュア(つぼみ)だ
が、みんなと協力し合うことができるので実はフラワーよりもムーンライトよりも強いの
である」という展開に多分なっていくだろうと思います。そうでないとつぼみを主人公に
据えた意味がなくなってしまうように思うので。
そしてこの構造は「5人の中で一番劣っているように見えるのぞみ
が実はリーダーである」という5の構造とよく似ていて、こういった点からも
ハートキャッチは5の後継であると思います。

フレッシュとハートキャッチも図に加えるとこうなります。

無印〜ハートキャッチの関係

だからどうということもないのですが、ハートキャッチはモチーフが花だったり
樹を守っていたりとS☆Sとの共通点が多いように見えて、実は5に近いのでは……と
思いついたら書きたくなってしまったのでした。

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