――変ロプ。
とシロップは思っていた。ずっと、そう思っていた。

パルミエ王国でフュージョンの襲来に備えた会議を開こうという話になった時、
参加者の一人のシロップもココやナッツと一緒に会議の支度をしていた。

どうしてくるみは参加しないんだよとシロップはぶつぶつ言っていたのだが、
「ミルクはのぞみやうららたちと大事な約束があるココ」
と言われると弱い。
「王国の代表はココとナッツの他にシロップがいれば大丈夫ナツ」
とも言われれば、何となくそんなものかという気にもなる。

そんなわけで会議前に出席者名簿を整理していたシロップは、
精霊の郷からの出席者に
「鳥の精 チョッピ」という名前があるのを見つけていた。

「鳥の精って、何ロプ?」
シロップは隣で作業していたナッツに尋ねる。
「まあ……鳥の妖精ナツ」
「ロプ?」
「会ってみれば分かるナツ」
説明に困ったようでナッツはそんなことを言った。
シロップは頭の中で想像を巡らせる。

――鳥の精、鳥の精……きっと、飛ぶのが速い鳥とか、綺麗な鳥とかロプ……
燕やハヤブサといった素早く飛ぶタイプの鳥だろうか。
それともクジャクのように、その美しい羽根で知られた鳥だろうか。

シロップは「鳥の精」に会うのが楽しみになっていた。



思っていたのと違う、わけである。
シロップが会議で初めて見たチョッピの姿は、精霊としては普通なのかもしれないが
ちっとも鳥っぽくはなかった。
ムプププと言いながら飛び回る精霊の子供たちを止めようと一生懸命な姿は
立派だったが、シロップが思い描いていた速い鳥でも綺麗な鳥でもなかった。

――なんで鳥の精がああいう姿ロプ?
シロップは内心でそう思っていた――が、フュージョンが会議室まで侵入し
それどころではなくなってしまった。

 * * *

フュージョン撃退後、横浜で出会ったプリキュアたちはちょくちょく集まっては
一緒に遊ぶようになっていた。妖精たちもくっついていくことが多い。

シロップはある時、やっとチョッピと二人で話すチャンスがあった。
ナッツハウス近くの湖で、チョッピは湖を見ていたかったのかみんなから離れて
一人で湖畔にちょこんと立っていた。
シロップは隣に立って、
「何してるロプ?」
と声をかける。

「湖を見てるチョピ。すごく綺麗チョピ」
「そうロプ」
会話が続かない。
気まずさに耐えきれずにシロップは、

「前から聞きたいことがあったロプ」
と思い切って言う。
「チョピ?」
「鳥の精なのにどうして羽根がないロプ?」
「チョピ?」
チョッピはますます首をかしげる。
「鳥は羽根を持ってるロプ。飛べない鳥でもロプ」
そう言ってシロップは、今は短い羽根をぱたぱたと動かす。
「えーと、チョピ」
チョッピは困った顔をした。
「鳥の精って、そういうんじゃないチョピ」
「じゃあ、どういうのロプ?」
「チョッピは鳥の精だから、鳥が元気でいると嬉しいチョピ!」
チョッピはそう元気よく答える。

「ふうん……そうロプ」
なんとなく釈然としないながらもシロップはそう答えた。

そんなシロップにチョッピはにこにこしながら、
「シロップがうららと一緒にいるときもチョッピは嬉しいチョピ!」
「ロプ!? なんでうららロプ!?」
ピンポイントでうららの名前を出されてシロップは動揺する。
「違うチョピ?」
チョッピはきょとんとした表情で、
「ミルクが、シロップはうららとすごく仲がいいって前に言ってたチョピ」

――何を勝手なことべらべら言いふらしてんだあいつはロプ!
シロップは顔を真っ赤にすると、
「ミルク! どこロプー!!」
と大声を上げてみんなのところへと走って行った。
チョッピはきょとんとした顔でその後ろ姿を見送っていたが、
また振り返って湖を見つめていた。

-完-

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